7・20入院患者差別・虐殺30ヵ年糾弾!報徳会宇都宮病院糾弾!宇都宮現地闘争を闘う

 

集会への連帯メッセージ  

 

 

 

 全国「障害者」解放運動共闘会議(全「障」共)の呼びかけのもと、7月20日午後1時より宇都宮市・陽南第二公園において集会が開催され、報徳会宇都宮病院に向けての戦闘的なデモがうちぬかれた。

 

 陽南第二公園の集会場には関東や宮城からマイクロバス、ワゴン車などで、「病者」、「障害者」、労働者、学生が結集し集会が開始される。

 

 まずはじめに、刑法改悪阻止関東活動者会議(刑関活)の司会でシュプレヒコールがあげられる。「入院患者差別・虐殺を糾弾するぞ!」「宇都宮病院を糾弾し解体するぞ!」「戦時『障害者』差別・抹殺攻撃粉砕!」の声が宇都宮現地に響き渡る。

 

 その後、全「障」共の下で格闘する全国の「障害者」からの連帯アピールを、司会が代読する。

 

 まず、「大阪・『障害者』の解放をめざす会」からは、「差別者・石川文之進のホームページでは、『虚言症の患者の作り話しをそのまま報道した大新聞をはじめ、多数のマスコミにより、誤り、歪められた当院の姿が何度も報道されました』と自らが患者を虐殺した事実を居直り続けている。絶対に許すことはできない」「今年4月1日から施行された『精神保健福祉法』は、医師一人と『保護者』家族等の同意があれば『医療保護入院』―強制入院が可能とされています。これは個人の意志を完全に無視・黙殺し『精神障害者』の基本的人権を奪う行為であり絶対に許すことはできない」。

 

 「広島・『障害者』の解放を進める会」からは、「宇都宮病院は、『精神障害者』の人権を無視した病院です。宇都宮病院では患者の虐待や虐殺をしています。そんな病院が今なお存在している事に対して、怒りを覚えます」「『精神障害者』に必要なのは、医療と介護体制と人と人とのつながりのある社会だと思います。『精神障害者』への隔離・抹殺政策と対決し、宇都宮病院糾弾・解体の闘いへと突き進んでいきましょう」。

 

 「福岡・『障害者』解放をめざす会」からは、「『家族では面倒がみれないから』と、施設や病院を『ついのすみか』として暮らさざるをえない『障害者』が、まだまだ多数います。これは同時に、地域がその人々を社会から排除しているということでもあります。これは『障害者』差別そのものであり、私たちはこのような政治・社会の状況を変えていかなければなりません」「多くの『精神障害者』の命、人生を奪ってきたことに対する何の反省もなく、『地域移行のために病棟転換が必要だ』という厚労省や病院経営者らの偽善性を暴き出し、糾弾しよう。ともに地域で闘っていきましょう」。

 

 天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会の「病者」の仲間は、「報徳会宇都宮病院は、沖縄を含めた日本『本土』すべての精神病院の最悪の部分をすべて集約したかの如き、まさしく『悪魔の精神病院』である。この病院の解体なくして、沖縄を含めたすべての精神病院の解体はありえません」「ファシズム優生思想の牙城の代表格であるこの病院施設もろとも解体し、歴史のくずかごへ放りこんでやらねばならない」。

 

 以上のアピールが、全体の拍手で確認された。


基調提起と決意表明 

 

 

 

 全「障」共幹事会が基調を提起する。

 

 基調は第1に、「宇都宮病院事件」の事実経過を暴露する。第2に、「宇都宮病院告発は世界的にも注目され、『精神衛生法』は、『精神保健福祉法』に変えられたが、『精神障害者』差別法としての根本は変わっておらず、宇都宮病院は今もなお存在している」と問題を提起する。同時に、差別者・石川文之進が結局何らの責任を負うことすらなく、差別・虐殺を居直り、のうのうと生き延びていることを許さず、「安井さんの遺志を引き継ぎ、その怒りと闘いに応え、あくまで闘う」とした。第3に、「精神病者」を隔離・抹殺する日本の精神医療の実態が何ら変らないどころか、むしろ「病床の居住地域への転換」の名の下に入院患者を一生涯精神病院に押し込めようとするなど、安倍政府が戦時「障害者」差別―抹殺攻撃をより一層強めていることを暴露し、「全『障』共の旗の下に結集するわれわれ『病者』『障害者』は、むしろ『社会の敵』としての誇りを持ち、資本主義社会の変革―普遍的人間解放の実現を通した『病者』解放、『障害者』解放に向かって、決然として起ち上がる決意だ」「戦時体制形成下での、戦時『障害者』抹殺攻撃を絶対に許してはならない。次期臨時国会での『尊厳死法』成立を阻止しよう」「差別糾弾闘争の飛躍をかちとり、全国の闘う『病者』『障害者』、そして医療労働者、福祉労働者をはじめとする労働者人民の闘いを発展させ、宇都宮病院を解体しよう。『病者』解放、『障害者』解放の闘いを闘いぬきましょう」と呼びかける。

 

 提起された基調は全体の拍手で確認された。

 

 続いて、結集した仲間からの決意表明だ。

 

 まず、「宮城・『障害者』への公的保障を求める会」より、「厚生労働省の新たな施策の下、宇都宮病院が患者を一生隔離・収容し、さらに肥え太ろうとすることを許してはならない」「各地で苦闘し、孤立を強いられている『精神病者』との結びつきを強め、闘いぬく」。

 

 「ボランティアサークル清瀬」の仲間より、「『医療行為』とはかけ離れた電気ショック、ロボトミー、薬漬けなどの暴行・虐待の数々が、宇都宮病院で明らかにされた。精神病院の病院長は患者の犠牲に上に私腹を肥やし続けている。これが日本の精神医療体制の実態であり、根本から腐っている。こんなものを許す資本主義体制打倒まで闘う」。

 

 東京・山谷日雇労働組合の仲間より、「7月29日に東京都山谷対策係・産業労働局との交渉を闘う。東京都に怒りを突きつけ、追及する」「8月13日から3日間、玉姫公園で山谷夏祭りを闘う。今後ますます厳しくなるアブレ―野垂れ死に攻撃を跳ね返していく」「宇都宮病院解体まで闘う」。

 

 反安保労研全国センターの仲間は、「『障害者自立支援法』施行下で、従来の『措置制度』とは異なり、『自由意志』の名の下に『精神病者』を地域や施設から排除する動きが強まり、行き場を失った『精神病者』は精神病院に追いやられている。『障害者総合支援法』に変った今も、その流れは変っていない」「差別と闘う労働運動を早急に構築しなければならないし、われわれがその先頭に起たなければならない」「『非正規化』攻撃が進行し、『九割非正規化』が現実になろうとしている。『限定正社員』導入などの労働法制改悪が進行している。こんな安倍政府のやり方は労働者を殺そうとするものであり、反撃の闘いを組織しなければならない」「『連合』、全労連を突破する階級的革命的全国統一センターを構築する闘いをやりぬく」。

 

 

 

宇都宮病院へ進撃する戦闘的デモ 

 

 

 

 全学連からは、「宇都宮病院が現在も存在しているのは、現在の差別行政の現われだ。徹底糾弾し、解体する日まで闘う」「資本主義社会の危機下で弾圧と差別が吹き荒れている。この困難な時代において、戦闘的学生を一人残らず組織化しきり、〈戦時下の新たな革命的学生運動〉の創出をなしきっていく。宇都宮病院が、『精神病者』隔離―抹殺の施設としていまだに存在するなぞ許されてはならない。〈戦時下の新たな革命的学生運動〉の名において、必ず宇都宮病院を解体する」「プロレタリア世界革命の突破口を、日帝足下から切り拓く。全学連が歴史的に培ってきた戦闘性・突撃性を発揮し、革命的反戦闘争を断固闘いぬく」。

 

 全国反戦は、「虐殺の実態が明らかになって30年。現在も患者さんが鉄格子の中にあり、石川一族の利潤追求の場となっている。失業労働者を地域から隔離し抹殺し続けるこの宇都宮病院を解体しよう」「7月1日に『集団的自衛権行使』が閣議決定され、憲法九条をないがしろにした戦争政策がさらに加速しようとしている。また、この7月に沖縄では、名護新基地建設が進められようとしている。辺野古現地では、強行されようとするボーリング調査と対決する闘いが開始されている」「九州電力・川内原発の再稼働をテコとした、全国の原発の再稼働が進められようとしている。原発の再稼働を阻止しよう。青森県・大間原発の建設が着々と進んでいる。大間現地闘争に起ち上がろう」「8月24日、東京の地で全国反戦集会を開催する。全国の仲間の結集の下、革命的反戦闘争の爆発をかちとる」。

 

 患者虐殺を居直り続ける宇都宮病院とその延命に手を貸す国家権力に対する怒り、そして宇都宮病院解体に向けて闘う決意に満ちた発言を全体の拍手で確認し、シュプレヒコールをあげる。そして隊列を整え、旗ざおを手に宇都宮病院を糾弾し解体すべく戦闘的デモを打ちぬく。病院の正門へと進撃し、正門前に陣取り「入院患者虐殺三〇ヵ年糾弾」「宇都宮病院解体」「入院患者と連帯して闘うぞ」とシュプレヒコールをあげ、宇都宮病院への怒りを叩きつける。正門は閉じられ、チャチなバリケードが設置されているが、存分に宇都宮病院を糾弾し、陽南第二公園までのデモを闘いぬいた。

 

 最後に、簡単に集約提起がなされ、全体でシュプレヒコールをあげて、この日の闘争を終了した。