利光 徹、沖縄へ行く

利光 徹(福岡・「障害者」解放をめざす会 会員)

 

 4月11日から2泊3日で、「福岡・『障害者』解放をめざす会」のメンバー2人とともに、沖縄に行ってきました。目的は、沖縄の障害者運動がどうやっているかということと、辺野古に代表される反基地闘争がどういうものなのかということを、自分の目で確かめたかったからです。

 

 私は、過去に、会議や家族旅行のようなものを含めて、6回ほど沖縄へ行った経験がありますが、そのときにも、繁華街や宿泊先などに私のような車椅子の障害者を見かけたことがまったくなく、まだ、在宅か施設にいるのではないかと想像するだけでした。今回も、2日間のうちで車椅子を2台ほど見かけましたが、そのいずれも、高齢者の方が乗っておられて、結局、車椅子の障害者と出会うことはできませんでした。

 

 沖縄の地で障害者解放運動の立ち上げをめざす大城良司さんなどから、少しだけ話を聞いていたのですが、「自分たちも、街で車椅子の障害者をほとんど見かけることがない」というふうな状況で、どこにいるのだろうかという疑問が残りました。通所施設がいくつかあるとは言っていましたが、それにしても、まったく見受けられないというのは、まだ多くの仲間たちが家の中や施設にいるのかなぁという思いをした2日間でした。また、これからは大城さんたちと連携しながら、仲間の数を増やしていこうという思いを新たにしたところです。

 

 2日目、当初は、首里城などに行こうかとも考えていたのですが、私は、せっかくここまで来た以上、今注目されている辺野古の新基地建設反対闘争をこの目で確かめたくなり、「辺野古へ行こう」と言って、大城さんをはじめ沖縄のメンバーたちと一緒に、那覇の市民団体がチャーターしているバスで行くことになり、片道一時間半かけて、辺野古の基地ゲート前の座り込みに参加させてもらいました。

 

 私が行ったときは、工事は一時中断していて、以前と比べたらそれほど張りつめた空気はなく、ゲート前で、集会や、講師を招いた講座が行われている最中でした。少し詳しく聞いてみると、現在は、東京からの機動隊もすでに撤収した後で、沖縄県警と民間の警備会社が警備をしている程度でした。行った日はちょうど雨だったせいもあり、テントの中でこの間の報告や、これからの戦略などについて、話をされていました。

 

 私がテントに行くと、一緒にそこに参加していた市民の方々が、一瞬びっくりしたような顔をしたのがとても印象的でした。やはり、こういう沖縄全体での闘いの中にも、あまり身体障害者は来られていない現状が浮かび上がってきたような気がしました。大城さんからも、「軽度の障害者はゲート前に時折来るけれども、利光さんほどの重度の障害者は滅多に見ない」という話を聞きました。帰りのバスの中で、大城さんが、「沖縄の基地反対闘争と障害者解放運動は、奪われた自己決定権を自分たち自身の手にとり返す闘いという意味で、原点は一緒ではないか」と言われていたのが印象に残っているところです。

 

 私の感想を書かせてもらうと、やはりもう何の運動でもそうですが、当事者をもっと増やさないといけない、そして、当事者がもっと様々な場に出ていかなければならないという思いを胸に、沖縄から福岡への帰途につきました。今後は、福岡の地元で、今まで以上に仲間を増やすことを中心にし、また沖縄と連携できるところはしっかり連携していきたいなということを、沖縄で障害者解放をめざしている皆さんと確認できた3日間でした。

 

 やはり、本場の海ブドウはおいしかったです。皆さんも、沖縄に行ったときはぜひご賞味ください。乱文にて失礼ですが、これでレポートとさせていただきます。