7・18入院患者差別・虐殺32ヵ年糾弾! 報徳会宇都宮病院糾弾! 宇都宮現地闘争を闘う

集会への連帯メッセージ  

 

 全国「障害者」解放運動共闘会議(全「障」共)の呼びかけのもと、7月18日午後1時より宇都宮市・陽南第二公園において、「報徳会宇都宮病院・入院患者差別・虐殺32ヵ年糾弾! 現地闘争」が闘われ、報徳会宇都宮病院に向けての戦闘的なデモがうちぬかれた。

 

 陽南第二公園の集会場には関東や宮城などからマイクロバス、ワゴン車などで、「精神病者」、「障害者」、労働者、学生が結集し、集会が開始される。

 

 まずはじめに、「福岡・『障害者』解放をめざす会」の仲間が司会に起ち、シュプレヒコールだ。「入院患者差別・虐殺32ヵ年を糾弾するぞ!」「報徳会宇都宮病院を糾弾するぞ!」「戦時『障害者』差別―抹殺攻撃粉砕!」「『心神喪失者等医療観察法』を粉砕するぞ」「保安処分施設を解体するぞ」の声が宇都宮現地に響き渡った。

 

 この集会に寄せられたメッセージ紹介に移る。全「障」共の下で格闘する全国の闘う諸団体からの連帯アピールを、司会が代読する。「天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会で闘う『精神病者』の仲間」は、「『本土』―沖縄を通して共通するのは、『精神障害者』への著しい偏見と差別である」「日帝のファシズム優生思想の政策を、率先して担っているこの宇都宮病院を糾弾し、解体しなければならない。そうしなければ、沖縄を含めて全国に存在する同様の病院を解体することはできない」「本闘争の勝利を、海を隔てた沖縄の地から願ってやみません」。「広島・『障害者』解放を進める会」は、「『精神障害者』に必要なのは、医療と介護体制と人と人のつながりのある社会だと思います。『精神障害者』の隔離・抹殺政策と対決し、宇都宮病院糾弾・解体の闘いへ突き進もう」。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「毎年2月、釜ヶ崎において『鈴木国男氏虐殺糾弾集会』を取り組んでいます」「大阪でも『大和川病院』など多くの精神病院が釜ヶ崎労働者を食い物にしてきた、その構造は今日も変わっていません。そんな病院の存在を許している『精神病者』差別が社会に根深く存在しているからです」「おれたちは、今後も鈴木国男氏虐殺糾弾の闘いを粘り強く闘いぬきます」。以上のアピールが、全体の拍手で確認された。

全「障」共幹事会が基調提起

 

 全「障」共幹事会から基調が提起される。基調提起に起った仲間は、「報徳会宇都宮病院事件」の事実経過を紹介し、元入院患者・安井健彦氏の告発によって、2人の入院患者の虐殺が暴露され、世界的にも問題とされ注目を集めていった経緯を明らかにする。しかし、「安井氏の告発にもかかわらず、差別者・石川文之進が、結局、何らの責任を負うことなく、差別・虐殺を居直り、のうのうと生き延びている。四月に行なわれる新入社員対象の報徳会『入会式』には、『社主』として登場して訓示を垂れているのである。そして、宇都宮病院自体も、私たちに対する面会破壊の攻撃をエスカレートさせており、宇都宮病院の一旦隠された毒牙が再びむき出しになってきている」とし、「安井さんの遺志を引き継ぎ、その怒りと闘いに応え、あくまで闘う」と強調した。そして、「精神病者」を隔離・抹殺する「日本の精神医療の実態」について、「『精神衛生法』が『精神保健福祉法』に変った今日においても『措置入院』や『医療保護入院』は存続し、一方では、『心神喪失者等医療観察法』による保安処分が強制され、『精神障害者』は隔離・抹殺政策のもとに置かれている」「政府の政策が『精神障害者』隔離・抹殺に重点を置いていることは明らかだ。私たちは、報徳会宇都宮病院を糾弾し解体する闘いを頑強に続けることで、報徳会宇都宮病院による患者への差別・虐待を阻止し、『精神障害者』隔離・抹殺政策と対決していく」「今こそ、差別糾弾闘争の飛躍をかちとり、全国の闘う『精神病者』『障害者』、そして医療労働者、福祉労働者をはじめとする労働者人民の闘いを発展させ、報徳会宇都宮病院を解体しよう」と呼びかけた。提起された基調は、全体の拍手で確認された。

 

決意表明と戦闘的デモ

 

 続いて、結集した仲間からの決意表明だ。まず、「宮城・『障害者』への公的介護保障を求める会」の仲間より、「石川一族の利潤追求の中で、入院患者虐殺が引き起こされた。宇都宮病院を糾弾し解体しよう」「日本の精神医療との闘いをやりぬかなければならない。全国の医療施設で暴行事件が相次いでおり、いつどこで虐殺事件が起こってもおかしくない。『障害者』抹殺攻撃との闘いをやりぬこう」。「刑法改悪阻止関東活動者会議」の仲間より、「『再犯の可能性』を叫びたてての『刑の一部執行猶予』制度が、6月1日から施行された。『精神病者』に対する新たな保安処分攻撃を許すことはできない。ブルジョア社会の防衛のための保安処分を粉砕し、保安処分施設を解体しよう」。東京・山谷日雇労働組合の仲間より、「今日の闘いに、山谷からも多くの仲間が起ち上がっている。宇都宮病院は、『東京の偉い先生がついている』といって、われわれの仲間を駆り込み、虐殺していった。石川文之進は、わずか1年の実刑判決で、医師免許も剥奪されなかった。虐殺された仲間の無念を思い、怒りを込めて闘いぬく」。反安保労研全国センターの仲間は、「『虐殺事件』が起きた1984年当時、報徳会宇都宮病院は、医師は石川文之進一人であり、病院の態をなしていなかった。にもかかわらず、栃木県行政は、病院の認可を取り消さなかった。『精神病者』への差別があるのは、明らかだ」「高齢化社会の中、報徳会は、高齢者施設経営にも手を広げている。一日も早く解体しなければならない」「参院では、改憲勢力が3分の2となった。安倍の本音は、自衛隊の『国防軍』への再編、天皇元首化だ。改憲攻撃を強め、労働者人民の生活や権利を奪おうとするのは明らかだ。戦闘的に闘い、安倍政府を打倒しよう」。患者虐殺を居直って存続し続ける報徳会宇都宮病院とその延命に手を貸す国家権力に対する怒り、報徳会宇都宮病院解体に向けて闘う決意に満ちた発言を全体の拍手で確認する。

 

 部隊はシュプレヒコールをあげる。隊列を整え、旗ざおを手に報徳会宇都宮病院を糾弾し解体すべく戦闘的デモを打ちぬく。報徳会宇都宮病院の正門へと進撃し、正門前に陣取り、「入院患者虐殺32ヵ年を糾弾するぞ」「宇都宮病院を解体するぞ」「入院患者差別・虐殺を許さないぞ」「患者さん頑張れ」とシュプレヒコールをあげ、宇都宮病院への怒りを叩きつける。闘う部隊は、存分に報徳会宇都宮病院への糾弾をやりぬき、陽南第二公園までのデモを貫徹した。

 

 最後に、全体でシュプレヒコールをあげ、全「障」共幹事会が簡単に集約提起を行ない、この日の闘争を終了した。