7・3「心神喪失者等医療観察法」施行11ヵ年糾弾!対国立精神・神経医療研究センター(旧武蔵病院)デモを闘う

全「障」共が闘争基調を提起

 

 7月3日、全国「障害者」解放運動共闘会議(全「障」共)は、全国の闘う仲間とともに、東京都小平市中央公民館での集会と国立精神・神経医療研究センター(旧武蔵病院)に対するデモとして、「心神喪失者等医療観察法」施行11ヵ年糾弾闘争を闘いぬいた。

 

 午前11時、全「障」共で闘う「病者」「障害者」をはじめ、全国から闘う仲間が結集する中、「福岡・『障害者』解放をめざす会」の仲間の司会で集会の開始が宣言される。「戦時『障害者』差別―抹殺攻撃粉砕!」「『安楽死』、『尊厳死』の法制化攻撃を粉砕しよう!」「改悪『精神保健福祉法』の撤廃をかちとろう!」「『病棟転換型居住系施設』構想を粉砕しよう!」「『障害者差別解消法』の撤廃をかちとろう!」「『成年後見制度利用促進法』撤廃!」「『改正民法及び家事事件手続法』撤廃!」「改憲と核武装に突き進む安倍極右政府を打倒しよう!」「『精神病者』解放・『障害者』解放をかちとろう!」「『心神喪失者等医療観察法』施行11ヵ年糾弾! 対国立精神・神経医療研究センター(旧武蔵病院)デモを闘うぞ!」「全『障』共は、闘うぞ!」と、シュプレヒコールが鳴り響く。

 

 はじめに、全「障」共幹事会より基調提起を受ける。基調提起に起った沖縄の仲間は、「心神喪失者等医療観察法」の差別性を詳細に明らかにしつつ、「法」成立後の有効な闘いは「保安処分施設の建設を阻止し、解体する闘いだ」と訴える。本闘争について、「『精神障害者』差別にもとづく保安処分法である『心神喪失者等医療観察法』撤廃をかちとる」「保安処分施設を全国に先駆けて建設した国立精神・神経医療研究センター(旧武蔵病院)を糾弾し、保安処分施設を解体すべく闘いぬく。これを突破口として、全国の保安処分施設の建設を阻止し解体する」「『心神喪失者等医療観察法』施行を導水路として策動されている新たな保安処分導入を阻止し、刑法の改悪を阻止する」とまとめ、「精神障害者」解放・「障害者」解放に向けて闘いぬくことを呼びかけた。基調は、圧倒的な拍手で確認された。

 

全国から結集した仲間の決意表明

 

 続いて、全国から結集した仲間からの決意表明に移っていく。

 「宮城『障害者』への公的介護補償を求める会」の仲間は、「2001年、『大阪池田小学校殺傷事件』を口実に、時の首相・小泉が『精神障害者』に対して『再犯の恐れあり』と、社会的差別をマスコミなどを使って煽り、強行成立・施行させた『心神喪失者等医療観察法』を、私たちはいまだに許すことはできません。首相・小泉は、この『法』をもってして精神医療の底上げを図るとしましたが、それは全くのウソだ。『精神障害者』を隔離・抹殺するのが、この『法』の目的だ。本日の国立精神・神経医療研究センターのような保安処分施設解体に向けて、私たちは全力で闘います。更に、差別糾弾の闘いを否定する、本年四月一日に施行された『障害者差別解消法』も許してはならない。『障害者』『精神障害者』の生活を破壊し、社会から隔離・抹殺しようとする『障害者総合支援法』『心神喪失者等医療観察法』をテコにして、首相・安倍は『安楽死』の推進を唱えています。私たちは、あらゆる種類の『障害者』差別・抹殺の『法』を打ち砕いていきます。全国の仲間とともに闘っていく」と決意を明らかにした。

 

 刑法改悪阻止関東活動者会議で闘う「障害者」の仲間は、「『心神喪失者等医療観察法』は、『犯罪』を行なった際の『精神障害』が『改善』されるまでは、『再犯』の恐れがあるから、特別な施設―保安処分施設に隔離・拘禁するというものです。『再犯の恐れがあるから』、地域では生きさせないとして『精神障害者』としての存在自体を否定されるという『精神障害者』差別法です。そして治安目的の『法』です。『精神障害者』は、『何をするか、わからない』という差別キャンペーンを張り、治安管理しようというのです。この『法』の施行を絶対に許してはなりません。11年前の施行当時、政府の意を受けて、全国で唯一の保安処分施設となったのが、旧武蔵病院でした」「私たちは、『心神喪失者等医療観察法』施行11ヵ年を糾弾し、本日の対国立精神・神経医療研究センター(旧武蔵病院)デモを闘いぬきます」「安倍政府が戦争へ向かうなかで、『障害者』『精神障害者』への差別・抹殺攻撃を許さず、闘うことを決意して本日の闘争を闘っていきたい」と訴えた。

 

 「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、「伊方原発再稼働阻止闘争を闘い、本日の闘争に参加しています。1976年に権力によって虐殺された『デカパンの事件』は、それを許したわれわれの団結の中身が問われる出来事でした。デカパンの虐殺は、彼が『障害者』解放の戦士だったからこそ、権力によって目的意識的に虐殺されたものです。デカパンを寄せ場で孤立させ、国家権力による虐殺を許してしまったという事実を深く自己批判し、本日の闘争を闘っていきたい。マスコミは、『健常者』の犯罪率が高いのに、『精神障害者』の犯罪率が高いかのように宣伝しています。ナチスや日帝が戦時中に行なったような『精神障害者』の虐殺を許してはならない。傷つきやすい、優しい心を持った『精神障害者』の人たちと共に闘っていきたい」と訴えた。

 

 「広島・『障害者』解放を進める会」の仲間は、「『心神喪失者等医療観察法』は、『再犯』の恐れがあるからというだけで、『精神障害者』を司法が隔離・拘禁し続けるという『精神障害者』差別法です。地域で生きていくことこそが、『精神障害者』にとって必要なことではないのか。『病棟転換型居住系施設』は、『精神障害者』を『精神病院』が食い物にしていくものでしかない。『障害者差別解消法』が施行されたが、差別事件が起きても裁判で『障害者』『精神障害者』に理不尽な判決が出ても、それで終わりという代物でしかない。本日のような差別糾弾の闘いを奪う『法』です。断固、撤廃させていきましょう。全ての『障害者』差別法を撤廃させていく」と決意を表明した。

 

国立精神・神経医療研究センターへ怒りのデモ

 

 決意表明の最後は、「反安保労研全国センター」だ。「『精神障害者』差別を許さない労働運動を造り出していく。現在、働いて『精神障害』を発病し、多くの労働者が自殺に追い込まれている。労働者が現場で長時間の労働を強いられるのが、最大の原因だ。厚労省が発表した中では、とりわけ、介護・社会福祉の労働に従事している労働者に発病率が高い。劣悪な労働現場で精神を病む労働者たちに向き合う労働運動を造りだしていく。労働運動として『精神障害者』差別糾弾の闘いをしている組合は、釜ヶ崎や山谷くらいだ。寄せ場労働者をこういった病院に隔離・拘禁することを許さない。参院選後、首相・安倍は、『一億総活躍時代』なるものを打ち出して、日雇労働者や『非正規雇用』労働者のレベルに『正社員』の賃金を下げていこうとしている。『労働基準法』で『残業代ゼロ』を法制化しようとしている。そのことを許さず、闘いぬく決意です」と締めくくった。

 会場の仲間たちは全五団体の発言に集中して聞き入り、大きな拍手で応えた。

 

 集会を終え、いよいよデモ出発だ。デモ隊は、国立精神・神経医療研究センターに向けて進撃し、怒りも新たに「『心神喪失者等医療観察法』施行11ヵ年糾弾!」「国立精神神経医療研究センター解体!」「保安処分施設解体!」「改悪『精神保健福祉法』撤廃!」「『障害者総合支援法』撤廃!」「『安楽死』『尊厳死』の法制化粉砕!」「戦時『障害者』差別抹殺攻撃粉砕!」「『病棟転換型居住系施設』構想粉砕!」「『障害者差別解消法』撤廃!」「『成年後見制度利用促進法』撤廃!」「『改正民法及び家事事件手続法』撤廃!」「『精神病者』解放・『障害者』解放!」『改憲と核武装に突き進む安倍極右政府打倒!」「差別糾弾闘争と階級的共同闘争で闘うぞ!」とシュプレヒコールを叩きつける。小平市の住民を始め労働者人民の注目を集め、戦闘的デモを闘いぬいた。

 

 全「障」共は、本闘争を力に「心神喪失者等医療観察法」撤廃に向けて闘いを進めていくとともに、7・18「報徳会宇都宮病院入院患者差別・虐殺32ヵ年糾弾! 現地闘争」に決起していくことを確認して闘争を終えていった。