4・1「障害者総合支援法」施行3ヵ年糾弾闘争かちとる

全「障」共幹事会が基調提起

 

 全国「障害者」解放運動共闘会議(全『障』共)は、4月1日、東京の地において『障害者総合支援法』施行3ヵ年糾弾闘争を闘いぬいた。

 

 全「障」共の下に結集する『障害者』をはじめ、全国の闘う仲間が東京の水谷橋公園に結集する。正午のデモ出発に先立ち、全『障』共幹事会が基調を提起する。

 

 「『障害者』の〈自立と解放〉を阻む悪法=『障害者自立支援法』を一部見直しただけの『障害者総合支援法』が施行されてから、今年で3ヵ年を迎えます」「『支援費制度』―『障害者自立支援法』―『障害者総合支援法』による介護の商品化は、『障害者』と介護者との間に介護事業者という資本を介在させ、介護を資本の利潤追求の手段に変質させ、〈共闘・共生〉の条件を破壊するものであり、『障害者』と介護労働者を縛る資本の鉄鎖を強化するものに他なりません」「『障害者』の〈自立と解放〉に向けた要求と介護の商品化とは、全く相反するものです」「『障害者総合支援法』は、介護の商品化に貫かれたものである以上、『措置制度』からの改悪ということであり、徹底した差別糾弾闘争で粉砕しなければなりません」「ヘルパー利用一つとっても、地域差はあれども、『外泊でのヘルパー利用禁止』『県境を越える介護の禁止』『政治活動のための利用禁止』など、各地の行政の価値観で禁止事項を作り、『障害者』の行動を規制しています。これらのことが、『障害者』が〈自立と解放〉を実現するために必要不可欠な活動を行うことを困難にしているのです」「介護の商品化に反対せず、『障害者の自立と社会参加』や『自立と完全参加』なるスローガンを掲げる運動は、『障害者』がこの資本主義社会における経済活動や社会活動に、『健常者』との格差を是正して参加させろと要求する運動です。その運動から得られるものは、資本主義社会の経済状態やそれに規定された政府の意向によって左右されます」「世界大恐慌爆発情勢が深化する中、昨年、『安保法制関連法』の制定が強行されました。改憲と核武装に突き進む安倍極右政府のもとで、社会保障の切り捨てが進行しているのに、『障害者』の『介護サービス』だけが手厚く保障されるなどということはありえません」「また、運動そのものがファシズム優生思想にとりこまれる危険性をはらんでいます」「『障害者』の〈自立と解放〉のスローガン、そして差別糾弾闘争こそが、未来を切り拓く力なのです」「私たち全『障』共とともに『障害者総合支援法』撤廃をかちとり、介護の商品化を粉砕しよう! 差別糾弾闘争を非合法化・無力化する『障害者差別解消法』の撤廃をかちとろう! 『心神喪失者等医療観察法』撤廃かちとり、保安処分施設を解体しよう! 『精神保健福祉法』撤廃をかちとり、『病棟転換型居住系施設』を粉砕しよう! 『脳死―臓器移植法』撤廃をかちとろう! 『安楽死・尊厳死』法制化を阻止しよう!  差別糾弾闘争の前進かちとり、『障害者』差別―抹殺攻撃を打ち破ろう! 『安保法制関連法』制定を強行し、改憲と核武装に突撃する安倍極右政府を打倒しよう!」。

 全「障」共幹事会の基調が参加者全体の拍手で確認されると、直ちに首都中枢を席捲するデモが開始される。全『障』共に結集する『障害者』を先頭とするデモ隊は、昼の賑わいをみせる銀座の街を席捲し、道行く人々の注目を集めていく。さらに、デモ隊は、霞ヶ関を通過し、『障害者総合支援法』下の『障害者』抹殺攻撃の尖兵の牙城=厚生労働省前に差し掛かる。宣伝カーからのよく通る声を先導役としたシュプレヒコールを、厚生労働省に叩きつける。「『障害者総合支援法』施行3ヵ年糾弾!」「『障害者総合支援法』撤廃!」「『介護の商品化』を粉砕するぞ!」「『差別糾弾闘争で闘うぞ!』「全『障』共は闘うぞ!」。 

 

 

戦闘的デモと全国の仲間の決意表明

 

 全「障」共のデモ隊は、首都中枢を席捲する日比谷公園までのデモを戦闘的に闘いぬいた。

 日比谷公園に到着後、「福岡・『障害者』解放をめざす会」の仲間の司会の下、全「障」共に結集する仲間からの決意表明を受ける。

 

 

 「宮城・『障害者』への公的保障を求める会」の仲間は、「法の施行から3年を経た今日、今なお多くの『障害者』は、必要な介護時間を認められないばかりか、介護支給時間を削減されるなど、生活領域全般に渡って打撃を受け続けています。『障害者総合支援法』は、自立しようとする『障害者』の格闘を阻害するものに他なりません。撤廃あるのみです」「私たちは今後も、『障害者』が置かれている厳しい状況の中から自立しようとしても、必要な介護支給時間を行政から認められず、また介護者不足で苦闘する『障害者』の声に立脚して、行政責任を追及し、公的介護保障をめざして闘います。更に、この差別社会の変革に向けて、皆さんと共に闘います」。

 

 「刑法改悪阻止関東活動者会議」の仲間は、「労働者階級との階級的共同闘争を発展させる中でこそ、『障害者』解放の未来をきりひらく道があります。安倍が本格的戦争へと突き進む中こそ、戦時『障害者』差別―抹殺攻撃を粉砕していかなくてはなりません。安倍極右政府を打倒していこうではありませんか。刑関活は、全『障』共の一翼を担いともに闘うことを明らかにして発言とします」。 

 

 

 「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、「俺たちは、今年も、2月16日に『鈴木国男氏虐殺40ヵ年糾弾集会』に取り組み、成功をかちとりました」「寄せ場には、『精神病者』の仲間がたくさんいます。『精神病者』の仲間たちへの差別を絶対に許さない闘いを作っていかなければなりません。同時に、『障害者』差別、部落差別など、あらゆる差別を許さない闘いを闘いぬく決意です」。 

 

 「広島・『障害者』解放を進める会」の仲間は、「『障害者総合支援法』のもと、『障害者』と介護者との〈共闘・共生〉の関係が崩されていっています」「本日施行の『障害者差別解消法』は、『障害者』差別に対する糾弾闘争を放棄し、行政や専門家集団に判断・対応を委ねろというものです。したがってこれもまた、〈共闘・共生〉の条件を破壊し、『障害者』差別廃絶への道を閉ざすものです」「『障害者』と介護者とが共に差別と闘う関係を紡いでいき、大きな運動のうねりを創り出すべく奮闘していく決意です」。

 

 沖縄の「精神病者」の仲間は、「この『障害者総合支援法』は、著しく『障害者』の尊厳を損なってはいないか?〝介護事業者という資本を仲介業者として介在させ、一般社会での生活についてあれこれと規定し、それで一般社会で『健常者』と変わらず生活出来るようにする〟ということ自体が、極めて人工的で不自然だということだ」「本日、施行された『障害者差別解消法』も同様だ」「『障害者』差別をこれらのデタラメな法で覆い隠し、差別を逆にほったらかし、助長させる結果しか生まない。その事を許さず、糾弾して闘いぬこう!」。  

 

 発言が全体の拍手で確認されると、最後に、司会が、今日の闘いを全「障」共が先頭を切って最後まで闘いぬいたことを明らかにする。そして、参加者全体で、再度、シュプレヒコールをあげ、この日の闘争を締めくくった。

 全「障」共の躍進を実現し、革命的『障害者』解放運動の飛躍・前進を切り拓こう。