4・1「障害者総合支援法」施行4ヵ年糾弾闘争かちとる

全「障」共幹事会が基調を提起

 

 4月1日、全国「障害者」解放運動共闘会議(全「障」共)は、東京において「障害者総合支援法」施行4ヵ年糾弾闘争を闘いぬいた。

 

 全「障」共の下に結集する「障害者」をはじめ、全国の闘う仲間が東京の水谷橋公園に結集する。正午のデモ出発に先立ち、全「障」共幹事会が基調を提起する。

 

 「『障害者』の〈自立と解放〉を阻む悪法=『障害者自立支援法』を一部見直しただけの『障害者総合支援法』が施行されてから、今年で4ヵ年を迎えます」「『支援費制度』―『障害者自立支援法』―『障害者総合支援法』による介護の商品化は、『障害者』と介護者との間に介護事業者という資本を介在させ、介護を資本の利潤追求の手段に変質させ、〈共闘・共生〉の条件を破壊するものであり、『障害者』と介護労働者を縛る資本の鉄鎖を強化するものに他ならないものです」「『障害者』の〈自立と解放〉に向けた要求と介護の商品化とは、全く相反するものです」「『障害者総合支援法』は、介護の商品化に貫かれたものである以上、『措置制度』からの改悪ということであり、差別糾弾闘争で粉砕しなければなりません」「ヘルパー利用一つとっても、地域差はあれども、『外泊でのヘルパー利用禁止』『県境を越える介護の禁止』『政治活動のための利用禁止』など、各地の行政の策定した基準で禁止事項を作り、『障害者』の行動を規制しています。これらのことが、『障害者』が〈自立と解放〉を実現するために必要不可欠な活動を行なうことを困難にしているのです」「介護の商品化に反対せず、『障害者の自立と社会参加』や『自立と完全参加』なるスローガンを掲げる運動は、『障害者』がこの資本主義社会における経済活動や社会活動に、『健常者』との格差を是正して参加させろと要求する運動です。その運動から得られるものは、資本主義社会の経済状態やそれに規定された政府の意向によって左右されます」「世界大恐慌爆発情勢が深化する中、2015年に『安保法制関連法』の制定強行するなど、改憲と核武装に突き進む安倍極右政府のもとで、社会保障の切り捨てが進行しているのに、『障害者』の『介護サービス』だけが手厚く保障されるなどということはありえず、また、運動そのものがファシズム優生思想にとりこまれる危険性をはらんでいます」「『障害者』の〈自立と解放〉のスローガン、そして差別糾弾闘争こそが、未来を切り拓く力なのです」「私たち全『障』共とともに『障害者総合支援法』撤廃をかちとり、介護の商品化を粉砕しよう! 差別糾弾闘争を圧殺し、非合法化する『障害者差別解消法』の撤廃をかちとろう! 『心神喪失者等医療観察法』撤廃かちとり、保安処分施設を解体しよう! 『精神保健福祉法』撤廃をかちとり、『病棟転換型居住系施設』を粉砕しよう! 『脳死―臓器移植法』撤廃をかちとろう! 『安楽死・尊厳死』法制化を阻止しよう! 差別糾弾闘争の前進かちとり、『障害者』差別―抹殺攻撃を打ち破ろう! 『安保法制関連法』制定を強行し、改憲と核武装に突撃する安倍極右政府を打倒しよう!」。

 全「障」共幹事会の基調提起が参加者全体の拍手で確認される。

 

 

首都中枢を席捲する戦闘的デモ

 

 続いて、体調不良のため、結集できなかった沖縄の闘う「精神障害者」からの連帯アピールが読み上げられる。

 

 「『障害者』全体を資本の食い物にしていくことしか生み出さないこの悪法施行4ヵ年を糾弾し、撤廃させていこう。沖縄でも至る所に就労型支援、A型、B型なる人工的で無機質な『障害者』を食い物にする施設が目に付くようになりました」「『健常者』と分離させ、区分けさせたところでの『障害者』の人間的な解放などあり得ません。このままでは、『障害者』と『健常者』との社会的な分断を生み出し続け、やがてはファシズム『優生思想』の中に完全に吸収され、安倍政府の朝鮮反革命戦争突撃の中で、『障害者』全体が抹殺されていくでしょう。日帝安倍政府の『障害者』抹殺のための悪法でしかない「障害者総合支援法」を撤廃させるために、日本『本土』―沖縄貫く革命的共同で闘っていきましょう」「帝国主義国家、資本家は、〝『障害者』は、戦争を行なうことも、自らのために働くことも出来ない〟、あるいは〝労働力が低い〟などという差別的定義でしかその存在を見ることができず、『価値なき生』としてその存在を否定します。人間の多様性、さまざまな人間としての多種多様な生き方を、『健常者』の立場や形でのみ集約しようとしています。『ノーマライゼーション』などと言って、地域社会で『障害者』も『健常者』と同等に生きる環境作りをするなぞとほざいてみても、それは民主主義的な装いを保つための方便です」「日帝は、朝鮮反革命戦争遂行に向けてファシズム的な本性をむきだしにしてきています。ファシズム優生思想を強化し、『障害者』の〈自立と解放〉を阻むこの悪法「障害者総合支援法」を社会的に徹底化しようとしているのです。『健常者』との〈共闘・共生〉を破壊し、介護を資本家の利潤をもたらすことのみに変質させようとしています。沖縄労働者人民の反戦・反基地闘争は、沖縄『障害者』解放闘争と相互媒介的に噛み合う時に、沖縄人民解放闘争は、その真の高揚をかちとるでしょう。帝国主義の『障害者』差別―抹殺を許さないことは、帝国主義の反革命戦争を阻止することです。共に『障害者』解放の勝利のために闘っていきましょう」。

 

 この全「障」共に結集する沖縄の「精神障害者」からのアピールを全体の拍手で確認した後、ただちに首都中枢を席捲するデモが開始される。

 

 全『障』共に結集する『障害者』を先頭とするデモ隊は、銀座の街を席捲し、道行く人々の注目を集める。さらにデモ隊は、霞ヶ関を通過し、『障害者』抹殺攻撃の尖兵である厚生労働省前に進撃する。デモ隊は、怒りを込めて、「『障害者総合支援法』施行4ヵ年糾弾!」「『障害者総合支援法』撤廃!」「『介護の商品化』を粉砕するぞ!」「『差別糾弾闘争で闘うぞ!』「戦時『障害者』抹殺攻撃粉砕!」「安倍政府を打倒するぞ!」というシュプレヒコールを厚労省に叩きつける。

 全「障」共のデモ隊は、首都中枢を席捲する日比谷公園までのデモを戦闘的に闘いぬいた。

 

 日比谷公園に到着後、全「障」共の仲間の司会の下で総括集会が行なわれ、この闘いに結集している全「障」共の各団体からの決意表明を受ける。

 

 刑法改悪阻止関東活動者会議の仲間は、「『障害者自立支援法』から『障害者総合支援法』に変わっても、『介護の商品化』という本質は変わってはいない。利潤追求と失業を必然とし差別を再生産する資本主義社会の枠の中に落とし込めるものであり、断じて許せない。『障害者』と介護者の間に事業所という資本を介在させ、また権力や行政が認めた資格に介護者が従えというのは、許せない。資本主義の危機と本格的戦争が切迫しており、『優生思想』が強化されている。先の大戦で、戦争に「役に立たないとされた『障害者』は虐殺された。安倍極右政府の本格的戦争突撃の中で、相模原市の『障害者虐殺事件』は起きた。『障害者』と共に戦時『障害者』抹殺政策と対決し、安倍極右政府打倒を闘う」。

 

全「障」共の各団体が決意表明

 

 「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、「今年の2月16日、『鈴木国男氏虐殺41ヵ年糾弾集会』に取り組み、成功をかちとった。寄せ場には『精神障害者』の仲間がたくさんいる。『精神障害者』の仲間たちへの差別を絶対に許さない闘いを作っていかなければならない。今、寄せ場では社会保険に入っていないと、仕事に就けない厳しい状況が続いているが、『反戦・仕事よこせ』の闘い、あらゆる差別を許さない闘いを闘っていく」。

 

 「広島・『障害者』解放を進める会」の仲間は、「『障害者総合支援法』施行から4ヵ年が経過したが、『障害者』と介護者との〈共闘・共生〉の関係が破壊されていっている。『障害者』は介護を受けるだけの存在、介護者は登録して介護をするだけの存在を強制されている。事業所は、利潤追求のために介護事業を行なっているのが現状だ。『障害者』と『健全者』が介護利潤のために分断されている。これは、『障害者は、役に立たないから抹殺する』という戦争に突き進む動きだと思う。私たちは、全『障』共の仲間と共に、『障害者』解放、安倍政府打倒を闘う」。

 

 「福岡・『障害者』解放を求める会」の仲間は、「『精神障害者』に対して、JR、西日本鉄道などの公共交通機関が運賃割引を行なっておらず、明らかに『精神障害者』差別であり、この差別を撤廃させる取り組みを2年半前からJR九州、JR西日本・九州支社、西日本鉄道や九州運輸局などと交渉を続けてきた。西日本鉄道が、今年の4月1日から『精神障害者』へ運賃割引制度を導入することを明らかにした。この成果は、福岡県下の『障害者』団体の力もあったが、福岡・『障害者』解放をめざす会の活動もまた大きく実を結ぶことに繋がったものと考える。福岡―九州における運賃割引制度の拡大に向けて、各地方で要求の声を挙げ、国土交通省との交渉などを共に闘うことを仲間に訴える。共に『障害者』解放に向けて闘う」。

 

 「宮城・『障害者』への公的保障を求める会」の仲間からのメッセージが読み上げられる。宮城の「障害者」の仲間は、この闘いに参加する途中に駅で転倒して治療を受けた後、集会場に向かっていたが、時間的には間に合わなかったため、託されたアピールを司会が代読したのである。「法施行4年を怒りも新たに糾弾する。今なお多くの『障害者』は、必要な介護時間を認められないばかりか、削減されるなど、生活領域全般に渡って打撃を受け続けている。『応益負担』などによる『障害者』や家族の負担が増加し、気がねした『障害者』が介護支給申請を取り下げるという状況が起きている。『障害者総合支援法』は、自立しようとする『障害者』の格闘を阻害するものに他ならず、撤廃あるのみだ。私たちは、自立しようとしても、必要な介護支給時間を行政から認められず苦闘する『障害者』の声に立脚して、行政責任を追及して闘う。さらに、この差別社会の変革に向けて、皆さんと共に闘う」。

 

 参加団体の発言を全体で拍手で確認する。最後に、司会が、今日の闘いを全「障」共が先頭を切って最後まで闘いぬいたことを明らかにする。そして、参加者全体で、シュプレヒコールをあげ、この日の闘争を締めくくった。

 

 全「障」共の躍進を実現し、革命的『障害者』解放運動の飛躍・前進を切り拓こう。